アスナプレビルは日本初のインターフェロンフリー経口C型肝炎治療薬として登場した薬剤ですが、実はその販売中止後も一部の薬剤添付文書に「削除対象」として名前が残り続けたため、医療現場での混乱が複数施設で確認されています。 med.myclimatejapan(https://med.myclimatejapan.com/asunapurebiruhanenchiryouyakugenjou.html)
アスナプレビル(商品名:スンベプラ)は、2014年9月にブリストル・マイヤーズ スクイブ社から発売されました。 当時は日本初のインターフェロン・リバビリン不要な完全経口C型肝炎治療薬として、大きな注目を集めました。 med.myclimatejapan(https://med.myclimatejapan.com/asunapurebiruhanenchiryouyakugenjou.html)
販売中止の正式な時期は2021年3月です。 その後、経過措置期間が終了し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページからも添付文書が削除されました。 段階的な撤退であったため、2023年になっても複数メーカーの添付文書から「スンベプラ」「ジメンシー」の相互作用記載を削除する改訂作業が続いていました。 shirasagi-hp.or(https://www.shirasagi-hp.or.jp/goda/fmly/pdf/files/1658.pdf)
つまり、実質的な撤退完了は2023年以降ということです。
販売開始から中止までの流れを整理すると以下のようになります。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2014年9月 | ブリストル・マイヤーズよりスンベプラ発売開始 |
| 2015年 | 厚労省が多形紅斑の副作用情報を発表(約2万人使用中に6例報告) |
| 2020年 | 日本肝臓学会ガイドライン第8版でアスナプレビルの記載が実質的に後退 |
| 2021年3月 | スンベプラ(アスナプレビル単剤)販売中止 |
| 2022年以降 | ダクラタスビル/アスナプレビル/ベクラブビル配合錠(ジメンシー)も経過措置満了 |
| 2023年〜 | 各社添付文書から相互作用情報として削除作業完了 |
これが基本の流れです。
販売中止の最大の要因は、重篤な副作用の報告です。 中でも深刻だったのは肝不全と多形紅斑(Stevens-Johnson症候群に発展するリスクもある皮膚症状)の2つです。 med.myclimatejapan(https://med.myclimatejapan.com/asunapurebiruhanenchiryouyakugenjou.html)
厚生労働省の安全性情報によると、発売後約7ヶ月(2014年9月〜2015年3月)で推定使用患者数約2万人に対し、多形紅斑関連症例が6例報告されました。 数字だけ見ると少なく感じるかもしれません。しかし、発売初年度に0.03%という発現率は「看過できない」と評価されました。 med.myclimatejapan(https://med.myclimatejapan.com/asunapurebiruhanenchiryouyakugenjou.html)
重篤な副作用として報告されたものをまとめます。
gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=4038)
med.myclimatejapan(https://med.myclimatejapan.com/asunapurebiruhanenchiryouyakugenjou.html)
amel-di(https://www.amel-di.com/medical/di/download?type=8&pid=1345&id=0)
相互作用の問題は特に臨床現場で大きなハードルでした。これは痛いところですね。CYP3A阻害作用を持つアスナプレビルは、スタチン系薬剤やカルシウム拮抗薬など日常的に使用される薬剤との相互作用が多く、処方設計を大幅に制限する原因となっていました。 amel-di(https://www.amel-di.com/medical/di/download?type=8&pid=1345&id=0)
結論として、「安全性対効果のバランスが次世代薬と比較して明らかに劣る」という判断が中止へとつながったわけです。
販売中止後、日本肝臓学会のガイドラインは大きく変わりました。 2024年5月発行の第8.3版では、「ダクラタスビル、アスナプレビルの販売中止に伴い治療推奨からダクラタスビル、アスナプレビルの記載を削除」と明記されています。 jsh.or(https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c.html)
現在の第一選択薬は以下の2剤です。
ishiinaikadm(https://ishiinaikadm.net/hepatitis_c_treatment/)
ishiinaikadm(https://ishiinaikadm.net/hepatitis_c_treatment/)
アスナプレビル時代と比較して、現在の治療薬はSVR(ウイルス持続的陰性化)率が95〜99%を超えており、治療成功率が格段に向上しています。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/47424)
これは使えそうです。特にマヴィレットは治療期間8週間という短さも大きなメリットであり、患者のアドヒアランス改善にも貢献しています。
日本肝臓学会のガイドラインは改訂が続いています。最新版の確認はこちら。
C型肝炎治療ガイドライン最新版(第8.3版含む)が掲載されている公式ページ。アスナプレビルの削除経緯や現在の推奨レジメンを確認できます。
ここは多くの現場で意識されにくい盲点です。アスナプレビルを含む旧世代DAA(ダクラタスビル+アスナプレビル併用療法)を受けた患者には、NS5A領域の耐性関連変異(RAS: Resistance-Associated Substitution)が残存している可能性があります。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/47424)
具体的には、Y93H変異とL31変異のダブル耐性を持つ患者が、アスナプレビル治療不成功例の一部に存在します。 この変異が残っている患者に対して次世代DAAを漫然と処方すると、再び治療失敗のリスクがあります。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/47424)
耐性変異の有無で治療方針が変わります。
carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/47424)
carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/47424)
アスナプレビル既治療患者の診察では、必ず前治療の治療歴と耐性変異検査結果を確認することが条件です。ガイドラインで指定された耐性検査を事前に行うことで、適切なレジメン選択が可能となります。
一般的に「販売中止=即時撤退・終了」と思われがちですが、アスナプレビルの場合はそうではありませんでした。 経過措置期間があったため、販売中止宣言後も数年間にわたり、複数社の添付文書にアスナプレビルとの相互作用情報が残存し続けたという特殊な状況が生まれました。 jp.sunpharma(https://jp.sunpharma.com/null/16051196972fa485dab4d3a4bfc2c22882fcda8a.pdf)
これは医薬情報担当者(MR)や病院薬剤師にとって実務上の問題でした。具体的には以下のような事態が発生しています。
med.myclimatejapan(https://med.myclimatejapan.com/asunapurebiruhanenchiryouyakugenjou.html)
med.myclimatejapan(https://med.myclimatejapan.com/asunapurebiruhanenchiryouyakugenjou.html)
電子カルテの相互作用チェック機能が最新データに更新されているか、定期的な確認が必要です。
薬剤部での定期的なマスタ更新フローの見直しが一つの対策です。特に販売中止後の経過措置期間中は、PMDAの「添付文書等情報提供ページ」で削除状況を定期確認する習慣が重要です。
PMDAの最新添付文書・安全性情報が確認できます。販売中止薬の記載削除状況もここで追跡できます。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)公式ホームページ
C型肝炎治療の歴史的変遷とDAA治療の詳細はJ-Stageの学術論文も参考になります。