あなたの適応判断、150ms未満で外すと損です。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940

心臓再同期療法(CRT)は、単に心不全が重いだけで選ぶ治療ではありません。
関連)https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/techo-shintai-kijyunkaisei/file_contents/2014021401768_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_109466.pdf
基本は、至適薬物療法を行っても症候性心不全が残り、左室駆出率(LVEF)低下とQRS延長がそろった症例です。
関連)https://www.jcc.gr.jp/journal/backnumber/bk_jjc/pdf/J072-16.pdf
つまり選別が重要です。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
古典的な適応条件としては、NYHA III〜IV、QRS幅130ms以上、LVEF35%以下、薬物治療抵抗性がよく知られています。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
130msは心電図の小マスでいえば3マス強で、見た目にも「かなり広い」と感じる幅です。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
これが基本です。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
一方で、近年は軽症例にも適応の議論が広がっています。
関連)https://www.nejm.jp/abstract/vol361.p1329
RAFT試験の日本語要約では、LVEF30%以下かつQRS 130ms以上のNYHA I〜IIで、CRTとICD併用により心不全イベントのリスクが41%減少し、その利益は主にQRS 150ms以上のサブグループで認められました。
関連)https://www.nejm.jp/abstract/vol361.p1329
結論は一律ではないです。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
適応判断でありがちな失敗は、「LVEF 35%以下なら候補」「QRSが広ければ候補」と別々に覚えてしまうことです。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
実際には、症状、リズム、QRS形態、幅、薬物治療の十分性が重なって初めて適応の精度が上がります。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.34433/dt.0000000867
条件の束で見るのが原則です。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
適応確認の取りこぼしを減らしたい場面では、外来で「NYHA・LVEF・QRS・リズム」の4点を1枚にまとめたチェックシートを使うと整理しやすいです。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
場面は初回紹介時、狙いは適応見逃しの回避、候補は心不全カンファ用の簡易テンプレートを1枚確認する行動です。
関連)https://www.jcc.gr.jp/journal/backnumber/bk_jjc/pdf/J072-16.pdf
CRTで最も利益が期待しやすいのは、左脚ブロック(LBBB)を伴う幅広いQRSです。
関連)crt/">https://osaka-heart.jp/patient/cardiovascular-disease/arrhythmia/crt/
特にQRS 150ms以上では、症状、イベント、死亡率の改善に寄与すると期待されると整理されています。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
ここは王道です。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
LBBBで効果が出やすい理由は、左室の電気的遅延がはっきりしていて、両室ペーシングで「ずれ」を補正しやすいからです。
関連)https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/techo-shintai-kijyunkaisei/file_contents/2014021401768_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_109466.pdf
逆に、QRSが広いという見た目だけで全例が同じように反応するわけではなく、wide QRSでも非同期の質が異なれば反応性は変わります。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2019167336
意外ですね。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2019167336
non-LBBBやQRS 130〜149msでは、利益が不明瞭または弱くなることがあるため、紹介のタイミングで「幅は広いから大丈夫」と決め打ちすると危険です。
関連)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E4%B8%8D%E6%95%B4%E8%84%88%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E4%BC%9D%E5%B0%8E%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81/%E5%BF%83%E8%87%93%E5%86%8D%E5%90%8C%E6%9C%9F%E7%99%82%E6%B3%95-crt
150ms未満は心電図上の差としては20msや30msでも、患者選択では予後や反応率に響く境目です。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
医療従事者が実際にやりがちな誤解は、「QRSが130msを超えたらどれも似た候補」という把握です。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
しかし、LBBBかどうか、150ms以上かどうかで、期待できるメリットの強さがかなり変わります。
関連)https://www.nejm.jp/abstract/vol361.p1329
つまり幅より形も見るです。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
この知識があると、紹介状や院内相談の質が変わります。
関連)https://osaka-heart.jp/patient/cardiovascular-disease/arrhythmia/crt/
場面はデバイス適応の事前相談、狙いは無駄な紹介や遅い紹介の回避、候補は12誘導心電図に「LBBB有無・QRS実測値」を追記して1回で共有する行動です。
関連)https://osaka-heart.jp/patient/cardiovascular-disease/arrhythmia/crt/
左脚ブロック優位の考え方を患者説明に落とすなら、「道が渋滞している場所がはっきりしているほど、交通整理の効果が出やすい」と表現すると伝わりやすいです。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2019167336
専門職同士でも、この比喩はカンファで便利です。
この領域は「完全に外す」でも「全員入れる」でもなく、病態と目的をそろえて判断する必要があります。
関連)https://www.nejm.jp/abstract/vol361.p1329
ここが分岐点です。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
軽症だから不要と考えたくなりますが、症状が軽くても電気的不同期が強ければ、心不全イベント抑制の観点で見逃せない例があります。
関連)https://www.nejm.jp/abstract/vol361.p1329
また、LVEFの数値だけを境界で機械的に扱うのも危険です。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
たとえばLVEF 34%と36%は、超音波の測定誤差や前負荷・後負荷の影響を考えると、2ポイント差だけで実態が大きく違うとは限りません。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
数字の切れ目だけでは足りません。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
紹介が遅れると、患者は入退院の反復で時間を失います。
関連)https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/techo-shintai-kijyunkaisei/file_contents/2014021401768_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_109466.pdf
大阪ハートセンターの説明でも、CRT植込み患者の約7割で心機能改善が報告されており、反応例では日常生活の質や入院頻度に影響します。
関連)https://www.nejm.jp/abstract/vol361.p1329
この場面では、狙いが早期適応拾い上げなら、心不全外来やデバイス外来へ一度相談するだけで十分価値があります。
関連)https://osaka-heart.jp/patient/cardiovascular-disease/arrhythmia/crt/
候補は専門外来への1回相談です。
関連)https://osaka-heart.jp/patient/cardiovascular-disease/arrhythmia/crt/
参考:患者向けですが、基本適応の全体像が簡潔に整理されています。
日本不整脈デバイス工業会:CRTの概要・適応・CRT-P/CRT-Dの違い
理由は、デバイスを入れただけでは十分な両室ペーシング率が保てず、理論どおりの効果が出ないことがあるためです。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.34433/dt.0000000867
つまり、AF症例では「適応があるか」だけでなく、「効く形で運用できるか」まで見ないといけません。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.34433/dt.0000000867
レートが速いまま、実際には右室優位や自己伝導が混ざっている状態では、せっかくの植込みがnon-responderに近づきます。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.34433/dt.0000000867
それで大丈夫でしょうか?
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.34433/dt.0000000867
ここで役立つのが、術後のデバイスチェックでの両室ペーシング率確認です。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.34433/dt.0000000867
AF症例は「ガイドライン外」と短絡されがちですが、実際には管理次第で利益を引き出せる領域です。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.34433/dt.0000000867
参考:AF合併例での両室ペーシング率と房室結節アブレーションの考え方に触れています。
最後に迷いやすいのが、CRT-PにするかCRT-Dにするかです。
関連)https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/techo-shintai-kijyunkaisei/file_contents/2014021401768_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_109466.pdf
日本不整脈デバイス工業会では、CRT-Pは重篤な心不全症状の改善に、CRT-Dは致死性不整脈を合併した心不全患者に適応になると整理しています。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
役割は別です。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
大阪ハートセンターでも、心室同期障害があり、心室頻拍や心室細動を経験した、あるいは発症可能性が高い患者でCRT-Dが対象と説明されています。
関連)https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/techo-shintai-kijyunkaisei/file_contents/2014021401768_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_109466.pdf
つまり、単に「重症だからD付き」ではなく、不整脈リスク評価を重ねて選ぶ必要があります。
関連)https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/techo-shintai-kijyunkaisei/file_contents/2014021401768_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_109466.pdf
付加機能の意味が大事です。
一方で、現場では「CRTの適応を考える時点で、PかDかまで決め切らないと紹介できない」と思われがちです。
関連)https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/techo-shintai-kijyunkaisei/file_contents/2014021401768_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_109466.pdf
しかし実務上は、心不全適応を拾い上げたうえで、致死性不整脈リスクを含めて専門側で層別化する流れのほうが安全です。
紹介文で最低限そろえたいのは、基礎心疾患、NYHA、LVEF、QRS幅と波形、洞調律かAFか、入院歴、不整脈既往です。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/J03097.2017130940
この6〜7項目があるだけで、受診当日の再問診や検査のやり直しが減り、時間の損失を抑えやすくなります。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
情報整理がメリットです。
関連)https://membnew.jhrs.or.jp/newjcdtr/jcdtrInfo.html
CRTの実臨床では、適応そのものを見落とすことが最大の不利益になりやすいです。
関連)https://toranomon.kkr.or.jp/cms/departments/files/379dd0981cbba310b3a5bbd01916baec.pdf
虎の門病院の資料では、海外でもガイドライン適応症例のうち実際にCRTが植え込まれているのは約30%程度と報告され、日本では人口比でさらに低い可能性が示唆されています。
関連)https://toranomon.kkr.or.jp/cms/departments/files/379dd0981cbba310b3a5bbd01916baec.pdf
見逃し回避に注意すれば大丈夫です。
関連)https://toranomon.kkr.or.jp/cms/departments/files/379dd0981cbba310b3a5bbd01916baec.pdf
参考:患者向けですが、植込み本数、改善率、入院日数など実務で説明しやすい数字があります。
大阪ハートセンター:CRTの仕組み、適応、約7割の改善、4〜5日入院の説明
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