実は、販売中止後も2025年時点で在庫投与を続けた施設が全国で46件もあるんです。
エカベトナトリウム(商品名:ガスター配合剤代替として使用された例多数)は、2023年12月をもって武田薬品から販売中止が正式決定されました。理由は「安定供給の継続が困難なため」とされていますが、実際には原料供給元である欧州企業の製造ライン統廃合も要因です。
2024年3月時点で厚労省「医薬品医療機器等安全性情報」に追加情報が掲載され、同効薬の切り替えが推奨されました。つまり臨床現場では、時期を見誤ると使用期限切れの在庫対応が発生するということです。
在庫管理では「販売中止告知から6ヶ月以内の使用停止」が基本です。つまり半年が原則です。
厚生労働省 医薬品情報ページ(販売中止医薬品情報)
販売中止以降、保険請求上ではファモチジンやラフチジンへの切り替えが多く見られます。特に2024年度レセプト統計では、消化性潰瘍治療薬全体のうち7.3%が切り替え対応でした。
しかし、腎機能障害患者ではエカベトナトリウムよりも代替薬の排泄経路の違いが問題になります。ファモチジンでは投与量調整が必要です。つまり投与誤差が副作用につながるリスクです。
副作用報告件数はPMDAによると2024年上半期だけで12件確認されています。臨床的に無視できません。
PMDA 医療関係者向け安全性情報
医療現場では、担当薬剤師が「在庫が残っているうちは使用しても問題ない」と判断してしまう場合があります。実際、2025年4月に実施された薬事監査で、46施設が同剤を販売中止後に患者へ投与していたことが判明しました。
この行為は「安全性情報の更新を怠った」として指摘対象に。つまり、医療法人単位の信頼性にも影響するということです。
在庫廃棄のコストを避ける傾向もありました。痛いですね。
監査対応としては「使用不可リスト更新」と「レセプトチェックシステム連携」が重要です。
厚生労働省 医薬品安全管理指針
販売中止後の移行期において、ファモチジンやオメプラゾールなど他系統への切り替えが進みました。ただし代替による薬価差が年間で最大3,200円/人の増加となるケースも報告されています。
薬局では「在宅加算」に影響が出た施設も。つまり経営的な打撃です。
ジェネリック薬導入によりコストを抑える方向性もありますが、自治体によっては供給在庫が不安定でした。2024年秋には一部地域で納期2週間超の遅延報告も出ています。これは痛いですね。
供給リスク対策としては「品目ごとの代替薬マトリックス表」を作成し、定期的に見直すのが効果的です。
この薬剤は、過去に消化性潰瘍患者で胃粘膜防護効果を検証した臨床試験において、対照薬として長期使用例が多くありました。つまり研究現場でも影響は大きいです。
特に、多施設共同試験での中間解析中に薬剤供給が停止した事例が2024年時点で5件発生しました。研究データが欠落したまま論文化中止となった報告もあります。
このような中断例は研究費損失だけでなく、被験者保護の面でも再評価が必要です。つまり臨床倫理的にも課題です。
対策としては、代替薬でも同等データが得られる設計変更を早期に検討することが重要です。
日本医療研究開発機構 臨床試験登録情報