アゾセミド錠の効果と副作用利尿作用電解質異常注意点

アゾセミド錠は持続型ループ利尿剤で、主にうっ血性心不全、腎性浮腫、肝性浮腫などの浮腫症状や高血圧の改善に用いられます。腎臓に作用し、尿の量を増やすことで体内の余分な水分や塩分を排出し、むくみや血圧上昇を抑制します。特に慢性的な浮腫や心不全患者に対し、安定した利尿効果が期待できる点が特徴です[1][2][3]。

アゾセミド錠の副作用で最も注意すべきは電解質異常です。低カリウム血症や低ナトリウム血症が特に多く、だるさ、筋力低下、手足のしびれ、不整脈、吐き気、頭痛、意識障害などを引き起こすことがあります。
その他、発疹、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、便秘、耳鳴、頭痛、脱力感、倦怠感、筋痙攣、関節痛などの症状が報告されています[4][1][2][5][6][3][7]。
血液検査による定期的な電解質モニタリングが推奨されます。

重大な副作用として、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少などの血液障害が稀に発生します。これらは発熱、のどの痛み、だるさ、出血傾向などの症状で気づくことがあります。また、高尿酸血症や高血糖症、高コレステロール血症などの代謝異常も報告されており、痛風や糖尿病患者では特に注意が必要です[1][2][5][3][7]。

アゾセミド錠は、まれに耳鳴りや難聴などの聴覚障害を引き起こすことが知られています。これは内耳の電解質バランスに影響を与えるためと考えられ、通常は可逆的ですが、症状が現れた場合は速やかに医師に相談が必要です。また、めまい、頭痛などの神経系症状も報告されています[2][5][6][3]。

アゾセミド錠服用時は、PTPシートから薬剤を取り出して服用するよう患者に指導が必要です。PTPシート誤飲による食道損傷のリスクがあります[1]。
また、妊娠・授乳中の服用は原則避けるべきであり、服用中に妊娠が判明した場合は速やかに医師へ相談します。
服薬自己中断や用量変更は病状悪化のリスクがあるため、必ず医師・薬剤師の指示を守ることが重要です。
腎機能や肝機能の悪化、脱水症状にも注意し、定期的な検査を行うことが推奨されます[2][6][3]。

アゾセミド錠は、他のループ利尿薬と比較して持続性が高く、服用回数が少なくて済むという特徴があります。これにより、患者の服薬アドヒアランスが向上しやすいとされています。また、腎機能障害患者でも比較的安全に使用できるケースが多いものの、無尿患者には効果が期待できず禁忌となっています[3]。
近年、アゾセミドの利尿効果と心血管イベント抑制効果の関連を検討する研究も進行中であり、今後のエビデンスに注目が集まっています。