あなた、SpO2 90%でも苦しくない患者を見逃すと危険です。
低酸素血症では、まず呼吸数、呼吸様式、脈拍、意識状態をまとめて見るのが基本です。日本内科学会の資料では、急性低酸素血症でPaO2が60 Torr未満になると呼吸促迫や頻脈、40 Torr未満でチアノーゼや失見当識、20 Torr未満で昏睡やショックが出ると整理されています。
関連)https://www.kango-roo.com/learning/2768/
数字で見ると明快です。
ただし、現場ではPaO2を先に見られない場面が多いので、看護では「呼吸が速い」「会話が短く切れる」「落ち着きがない」といった変化を先に拾う意味が大きいです。特に頻脈が毎分110回を超えるような場面は、単なる不安や発熱だけで片づけず、酸素化低下のサインとして扱うほうが安全です。
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息切れは代表症状ですが、それだけでは足りません。日本呼吸器学会は、軽症なら坂道や階段での息切れ、重症なら身の回りの動作だけで息切れが出て日常生活が難しくなると説明しています。
関連)https://medical-term.nurse-senka.jp/terms/216
つまり全身評価です。
病室内歩行、トイレ動作、食事、清拭のような日常動作でどこまで症状が出るかを見ると、安静時のSpO2だけではわからない悪化を見つけやすくなります。離床時に観察しやすいよう、パルスオキシメータのトレンド表示や呼吸数を一緒にメモできる院内アプリや記録テンプレートを使うと、報告が速くなります。
医療従事者でも「SpO2が見えているから大丈夫」と考えがちですが、実際にはSpO2だけでは不十分です。日本内科学会は、モニタリングとしてパルスオキシメータを使いつつ、呼吸不全の診断には動脈血ガス分析が必須だとしています。
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結論は併用です。
SpO2は非侵襲で便利ですが、換気不全やCO2上昇までは読めません。数値が同じ90%でも、呼吸仕事量が増えている人とそうでない人では危険度がかなり違います。
さらに、チアノーゼが出ないから軽いとは言えません。看護教材では、貧血があると還元ヘモグロビン量が少なくなるため、低酸素血症でもチアノーゼが現れにくいとされています。
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意外ですね。
このあたりの参考になります。パルスオキシメータの基本と、低い時に慌てず確認する項目がまとまっています。
日本呼吸器学会 パルスオキシメータの基本資料
急性場面では、SpO2 90%未満がひとつの重要な目安です。日本内科学会の資料では、室内気でPaO2 60 Torr未満、参考としてSpO2 90%未満を酸素療法開始基準とし、目標はSpO2 90%以上としています。
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ここが基準です。
ただし、開始したら終わりではありません。酸素療法の開始後10〜15分以内に動脈血ガスを再評価し、PaO2の改善とPaCO2上昇の有無を必ず確認する流れが示されています。
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酸素流量も一律ではありません。高二酸化炭素血症を伴わない場合は鼻カニュラや酸素マスクで開始し、伴う場合は鼻カニュラ0.5〜1L/分のような低流量から始める例が示されています。
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つまり病態別です。
COPDなどでCO2貯留リスクがある患者に高濃度酸素を漫然と入れると、換気が低下してCO2ナルコーシスにつながるおそれがあります。一方で、低酸素血症が高度なら酸素化を優先するとされており、「CO2が怖いから酸素を遅らせる」は安全策とは限りません。
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この部分の整理に役立ちます。慢性呼吸不全と在宅酸素療法の適応、NPPVの位置づけが確認できます。
日本呼吸器学会 慢性呼吸不全の解説
見逃しやすいのは、症状が強くないのに危険なケースです。日本呼吸器学会は、慢性呼吸不全で高二酸化炭素血症がゆっくり進むと症状に乏しいことがあると説明しています。
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症状が乏しいこともあります。
だからこそ、傾眠、朝の頭痛、羽ばたき振戦、会話の反応低下のような「呼吸以外の変化」を拾えると強いです。頭痛や意識レベル低下は高二酸化炭素血症の進行サインでもあるため、低酸素血症だけの問題として処理しない視点が必要です。
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急変を疑う線引きも持っておきたいところです。日本内科学会では、酸素を最大限投与してもPaO2 50 Torr未満、PaCO2が1時間に5 Torr以上上昇、急激なPaCO2上昇と意識障害がある場合などを、挿管や人工呼吸管理を考える目安として挙げています。
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厳しいところですね。
看護師がそこまで確定診断する必要はありませんが、「酸素を足しても会話が保てない」「補助呼吸筋が目立つ」「意識が鈍い」という絵が見えたら、報告の緊急度は一段上げてよい場面です。報告前に呼吸数、SpO2推移、酸素流量、意識変化の4点をメモしておくと、医師側の判断も早くなります。
検索上位の記事では症状の列挙で終わることが多いですが、実務では「どう記録するか」で看護の質が変わります。たとえば「SpO2 89%」だけでは弱く、「安静時89%、鼻カニュラ2L/分、呼吸数28回/分、会話は3語で中断、離床で86%まで低下」のように並べると、重症感が一気に伝わります。これは呼吸数、呼吸様式、意識、動作負荷を重ねて見るという基本に沿った書き方です。
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記録は武器です。
申し送りでも同じで、数値と場面を結びつけると次の担当者が動きやすくなります。たとえば「食事前は安定、食後のトイレ移動で低下」「清拭後に息切れ増強」といった生活場面の情報は、日常生活が困難になる前段階を捉えるうえで有用です。
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読者のメリットは大きいです。
記録が具体的だと、医師への報告、酸素流量の調整相談、リハビリや退院支援との連携まで短時間で進めやすくなります。逆に、症状の背景が抜けた記録は再観察や再確認が増え、結果として時間を失います。場面別の観察漏れを防ぐ狙いなら、呼吸ケア用の申し送りシートや電子カルテの定型文を1つ整備しておくだけでも十分効果があります。