性感染症の種類と一覧
性感染症の重要ポイント
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多様な病原体
細菌、ウイルス、原虫、真菌など様々な病原体が性感染症を引き起こします
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潜伏期間の差
数日から数ヶ月、HIVでは約10年と、疾患により大きく異なります
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早期発見の重要性
多くの性感染症は早期発見・早期治療が合併症予防に重要です
性感染症の主要な種類と原因
性感染症(STI: Sexually Transmitted Infection)とは、性的接触によって感染する疾患の総称です。従来は「性病」と呼ばれていましたが、現在は無症状のキャリア状態も含めて「性感染症」という用語が一般的に使用されています。
主な性感染症は病原体によって以下のように分類されます。
【細菌性感染症】
- 梅毒:梅毒トレポネーマによる感染症で、性器、口唇などの粘膜や皮膚の病変との直接接触で感染します。近年、日本では感染者が急増しており、2022年8月時点で8000人もの患者が報告されています。
- 淋菌感染症(淋病):淋菌による感染症で、性器の接触を介して感染します。クラミジアより症状が強く、発症までの期間が短いのが特徴です。
- 性器クラミジア感染症:クラミジア・トラコマチスという細菌が原因で、症状は軽度か無症状のことが多いです。
【ウイルス性感染症】
- 性器ヘルペス:単純ヘルペスウイルスによる感染症で、一度感染すると神経節に潜伏し、再発することがあります。
- 尖圭コンジローマ:ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症で、主に6型と11型が原因です。性器や肛門周囲にトサカ状のイボを形成します。
- HIV感染症(エイズ):HIVウイルスによる免疫不全症で、平均10年程度の潜伏期間を経てエイズを発症します。
- B型/C型肝炎:肝炎ウイルスによる肝臓の炎症で、慢性化すると肝硬変や肝がんリスクが高まります。
【原虫・寄生虫感染症】
- 腟トリコモナス症:トリコモナス・バギナリスという原虫による感染症です。
- ケジラミ症:ケジラミという寄生虫が陰毛に寄生する感染症です。
【真菌感染症】
- 性器カンジダ症:カンジダ属の真菌による感染症で、女性の腟内に常在している場合もありますが、性的接触で伝播することもあります。
性感染症の症状と潜伏期間一覧
性感染症は感染しても症状がない、または軽微なことが多く、特に女性では無症状のまま経過することが多いため、感染に気付かずに他者への感染を広げる可能性があります。各性感染症の症状と潜伏期間は以下の通りです。
【梅毒】
- 潜伏期間:約3週間
- 症状。
- 第1期:感染部位に赤色の堅いしこり(硬性下疳)ができ、近くのリンパ節が腫れます
- 第2期:3~12週間後に発熱や全身倦怠感とともに、全身(特に手のひらや足の裏)に発疹が出現
- 第3・4期:10~30年