GDH陽性・毒素陰性の検体を「CDIなし」と判定すると、見逃し率が30〜40%に達することがあります。
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html

クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の診断では、複数の検査手法の特性を理解した上で使い分けることが重要です。 現在、臨床現場で主に使われているのは以下の3つです。
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html
| 検査法 | 感度 | 特異度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| CDトキシン迅速検査(イムノクロマト法) | 約60〜70% | 高い | 簡便・迅速、ただし感度が低い |
| GDH(グルタメートデヒドロゲナーゼ)抗原検査 | 高い(>90%) | 中程度 | スクリーニング向き、毒素産生菌か無毒株かの区別不可 |
| NAAT(核酸増幅検査)/リアルタイムPCR法 | 90%以上 | 高い | 毒素産生遺伝子を直接検出、精度が最高水準 |
GDH検査はスクリーニングとして感度が高いですが、毒素産生菌かどうかは判定できません。 一方でCDトキシンの迅速検査は感度が60〜70%程度にとどまるため、陰性であってもCDIを完全には否定できません。これが原則です。
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html
CDトキシン迅速検査が「陰性=安心」とはならない点が、医療現場での最大の落とし穴です。
参考)C.ディフィシル 抗原・毒素|臨床検査項目の検索結果|臨床検…
日本感染症学会・日本化学療法学会のガイドラインでは、CDI疑い時の検査手順が体系化されています。 正しいアルゴリズムを以下にまとめます。
参考)Clostridioides (Clostridium) d…
まず、ブリストルスコア5以上(軟便)で、24時間に3回以上の下痢がある場合にのみ検査を開始します。 これが条件です。
参考)Clostridioides (Clostridium) d…
🔁 CDI検査の流れ
参考)C.ディフィシル 抗原・毒素|臨床検査項目の検索結果|臨床検…
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html
参考)Clostridioides (Clostridium) d…
GDH陰性・毒素陰性であれば、CDIは否定的と判断できます。 この2点だけ覚えておけばOKです。
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html
検体量にも要注意です。糞便25μLを正確に採取する必要があり、少なすぎると偽陰性、多すぎると検体展開不良で判定不能になります。
参考)https://www.kchnet.or.jp/for_medicalstaff/LI/item/LI_DETAIL_M00021.html
CDI診断における最大のリスクのひとつが偽陰性です。 偽陰性が起きると適切な治療が遅れ、感染が拡大するリスクがあります。
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html
偽陰性が起きやすい状況:
参考)https://www.kchnet.or.jp/for_medicalstaff/LI/item/LI_DETAIL_M00021.html
参考)Clostridioides (Clostridium) d…
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html
CDトキシン迅速検査のみに頼ることはダメです。
参考)https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/214.html
NAAT法(リアルタイムPCR法)は毒素Bをコードする遺伝子(tcdB)を直接検出するため、感度90%以上の精度を誇ります。 ただし過検出のリスクもあります。無症状の保菌者でも陽性になるため、臨床症状との組み合わせが不可欠です。 つまり「陽性=治療開始」ではない点が重要です。
日本感染症学会:Clostridioides difficileトキシン核酸検出検査の臨床的意義(検査適用条件・アルゴリズム解説)
検査精度は採取・保存方法に大きく左右されます。 この部分が軽視されがちですが、実は偽陰性の重要な原因になります。
参考)https://www.kchnet.or.jp/for_medicalstaff/LI/item/LI_DETAIL_M00021.html
検体採取の必須ポイント:
参考)https://www.kchnet.or.jp/for_medicalstaff/LI/item/LI_DETAIL_M00021.html
参考)https://www.kchnet.or.jp/for_medicalstaff/LI/item/LI_DETAIL_M00021.html
参考)https://www.kchnet.or.jp/for_medicalstaff/LI/item/LI_DETAIL_M00021.html
保存条件:
すぐに検査できない場合は、採取後72時間以内、2〜8℃で冷蔵保管します。 それ以上放置すると毒素の分解が進み偽陰性の原因になります。痛いですね。
参考)https://www.kchnet.or.jp/for_medicalstaff/LI/item/LI_DETAIL_M00021.html
また、治療後の陰性確認目的の再検査は推奨されていません。 NAAT法は菌のDNA断片を検出するため、菌が死滅した後も数週間陽性が続くことがあり、「治癒確認検査」として使うと誤って再治療につながるリスクがあります。 再検査の適応は限定的です。
神戸市立医療センター:検査情報システム(CDトキシン検査の採取・保存・判定ルール)
CDI診断は治療判断だけでなく、院内感染対策の起点にもなります。 この視点は見落とされがちです。
参考)https://janis.mhlw.go.jp/participation/material/2017_lecture_4_kato.pdf
CDIは芽胞を形成するため、アルコール系消毒剤が無効です。 これは一般の感染対策と大きく異なる点であり、C. difficile陽性が判明した時点で次の対応が求められます。
🏥 CDI陽性確認後の院内対策チェックリスト:
参考)https://janis.mhlw.go.jp/participation/material/2017_lecture_4_kato.pdf
参考)https://janis.mhlw.go.jp/participation/material/2017_lecture_4_kato.pdf
参考)https://janis.mhlw.go.jp/participation/material/2017_lecture_4_kato.pdf
検査結果の報告から感染制御チーム(ICT)への連絡までの流れを、施設内でマニュアル化しておくことが重要です。 これは使えそうです。
参考)https://janis.mhlw.go.jp/participation/material/2017_lecture_4_kato.pdf
C. difficile芽胞は乾燥環境で数か月以上生存可能であり、手や環境表面を介した接触感染が主要な感染経路です。 早期の検査判断と院内連携が、アウトブレイク防止の鍵となります。
厚生労働省JANIS:Clostridium difficile感染症と院内感染対策(院内感染対策の具体的手順と事例)
日本感染症学会・日本化学療法学会:Clostridioides difficile感染症診療ガイドライン(公式フルテキスト)
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