あなたがKRAS未検査でEGFR薬を使うと無効治療で数ヶ月損します

KRAS変異は、RAS/MAPK経路を恒常的に活性化するドライバー変異として知られています。特に大腸がんでは約40%、非小細胞肺がんでは約25%に認められます。かなり多いです。
従来、KRASは「undruggable」とされてきましたが、2021年以降に状況が変わりました。G12C変異に対する阻害薬(ソトラシブ、アダグラシブ)が登場し、臨床使用が可能になっています。ここが転換点です。
ただし、すべてのKRAS変異に効くわけではありません。G12DやG13Dなどには現時点で確立した薬は限られています。つまり変異別対応です。
このため、遺伝子検査の実施が治療選択の前提となります。NGSパネル検査が主流です。KRAS変異確認が基本です。
代表的なG12C阻害薬であるソトラシブは、非小細胞肺がんで奏効率約37%と報告されています。3人に1人程度です。
一方で無増悪生存期間(PFS)は約6〜7ヶ月とされています。劇的とは言えません。ここが現実です。
さらに問題なのが耐性です。投与後数ヶ月で二次変異やバイパス経路活性化が起こり、効果が低下します。これは重要です。
このため単剤治療だけでなく、EGFR阻害薬や免疫療法との併用が研究されています。併用戦略が鍵です。
大腸がんではKRAS変異がある場合、セツキシマブやパニツムマブなどのEGFR抗体薬は無効です。明確な禁忌に近いです。
実際、KRAS変異陽性例では奏効率がほぼ0%に近いと報告されています。完全に無駄です。
にもかかわらず、検査未実施や結果確認ミスで投与されるケースがあります。臨床現場でも起きています。痛いですね。
このリスクを避けるには、治療開始前に「RAS全体(KRAS/NRAS)」を確認することが必須です。RAS確認が原則です。
国立がん研究センターの解説(RAS検査と抗EGFR薬適応の詳細)
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2015/0803/index.html
KRAS変異の検査タイミングは、初回治療前が基本です。後回しは危険です。
NGSパネル検査では数十〜数百遺伝子を同時解析できます。結果返却まで約2〜3週間です。意外と時間がかかります。
ここで問題になるのが「治療開始を急ぐケース」です。待機中に化学療法を先行することもありますが、その後の治療選択に影響します。判断が難しいです。
このリスク(検査遅延による無効治療)を避けるには、「初診時にNGS検査を同時オーダーする」ことが最適です。初動が重要です。
KRAS未確認で無効な分子標的薬を投与すると、1コース数十万円規模の医療費が発生します。非常に高額です。
例えば抗EGFR抗体薬は月あたり約50〜80万円程度です。数ヶ月続けば数百万円です。無効なら全損です。
さらに患者の時間的損失も大きいです。無効治療の間に病勢進行が起き、次の治療機会を失う可能性があります。これは深刻です。
このため「検査→適応確認→投与」の順序を守ることが医療経済的にも合理的です。順序が重要です。
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