保険適用なのに、検体不良でも費用が全額かかる場合があります。
遺伝子パネル検査(がん遺伝子パネル検査)の保険診療における公定価格は、総額56万円(56,000点)です。 これは一度に数百個のがん関連遺伝子変異を網羅的に解析し、エキスパートパネルによる解析・治療提案会議の費用も含んだ金額です。
関連)https://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/central/genom/patient.html
費用は1回の支払いでなく、2回に分けて請求されます。
| 支払いタイミング | 点数 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|---|---|
| 検査申込時(同意書提出時) | 44,000点 | 44,000円 | 88,000円 | 132,000円 |
| 結果説明時 | 12,000点 | 12,000円 | 24,000円 | 36,000円 |
| 合計 | 56,000点 | 56,000円 | 112,000円 | 168,000円 |
関連)https://www.nuh.niigata-u.ac.jp/genome/general/panel_test/cost.html
別途、診察料・診断料が発生します。 つまり168,000円はあくまで検査費用のみであり、実際の請求はそれ以上になります。
関連)https://www.osakacity-hp.or.jp/ocgh/about/cancer/genome/index.html
重要なポイントがあります。検体の質が不良でレポート作成ができなかった場合でも、同額の費用が発生します。 これは患者・家族が特に驚く事実であるため、事前に必ず説明が必要です。
関連)https://www.komakihp.gr.jp/department/genomukensa/
保険診療の自己負担額が高くても、高額療養費制度を使えば実質負担を大きく減らせる可能性があります。 制度の仕組みを理解することが、患者説明の質を高めます。
関連)https://5month.or.jp/genetic-risk/gene-panel/gene-panel-test-cost-insurance-coverage/
高額療養費制度では、1か月の医療費自己負担が一定の「自己負担限度額」を超えた場合、超過分が払い戻されます。70歳未満の標準的な所得区分(年収約370~770万円の「区分ウ」)の場合、限度額は80,100円+(医療費−267,000円)×1%で計算されます。
たとえば3割負担で16万8,000円の自己負担が発生した月でも、適用後の実質負担は9万円前後まで抑えられる場合があります。これは患者の経済的な不安を和らげる大きな制度です。
さらに便利な手続きがあります。
限度額適用認定証を事前に取得しておけば、窓口での支払い自体を自己負担限度額以内に抑えられます。 患者が支払いの立替負担を回避できる点で、この認定証の取得を医療従事者側から積極的に案内することが望まれます。
関連)https://5month.or.jp/genetic-risk/gene-panel/gene-panel-test-cost-insurance-coverage/
保険診療が適用されるのは、すべてのがん患者ではありません。明確な条件があります。
関連)https://oncolo.jp/news/190529k01
保険適用の基本要件は以下のとおりです。
関連)https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp/hospital_list/
関連)https://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/central/genom/patient.html
「原則1回限り」という点は特に注意が必要です。これは血液パネル検査も含めた話で、組織パネルが実施困難な場合のみ血液パネルが選択されます。
関連)https://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/central/genom/patient.html
なお、血液パネル検査(リキッドバイオプシー型)の場合も、3割負担で約168,000円の自己負担が発生し、組織パネル検査が実施困難な場合のみ保険適用の対象となります。 患者が「血液で手軽にできる」と思っている場合は、優先順位について正確に説明することが重要です。
関連)https://5month.or.jp/genetic-risk/liquid-biopsy/liquid-biopsy-cost-insurance-coverage/
保険適用の条件を満たさない場合でも、自費診療または先進医療として検査を受けられる選択肢があります。費用感は大きく変わります。
自費診療の代表的な検査と費用は次のとおりです。
関連)https://shikoku-cc.hosp.go.jp/hospital/support/dawnload/data/genome_fordoctor_202412.pdf
金額が大きいですね。保険診療の3.5倍前後になります。
患者に「標準治療中でも検査したい」と相談された場合、現時点では自費診療として費用全額自己負担になることを明確に伝える必要があります。
関連)https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/information/2020/0218/index.html
日本医療政策機構(HGPI)による保険外併用療養費制度の政策提言(PDF)
遺伝子パネル検査の説明で費用の数字を伝えるだけでは不十分です。実際には費用だけでなく、紹介・受診のタイミングが検査の有効性を大きく左右します。
体調が悪化してから検査結果を待っていては、適切なタイミングで次の治療に進めなくなるリスクがあります。 この課題こそが、早期実施の先進医療研究が企画されたきっかけでした。
関連)https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/information/2020/0218/index.html
具体的に気をつけるべきことがあります。
関連)https://www.osaka-med.jrc.or.jp/cancer2/genome/
関連)https://www.osakacity-hp.or.jp/ocgh/about/cancer/genome/index.html
医療従事者として特に意識したいのは、患者が費用の高さに驚いて検査をためらうケースへの対応です。高額療養費制度や限度額適用認定証を案内するだけで、受検率と患者満足度が変わります。それだけです。
また、保険診療が実施できるのはがんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院のみです。 自院が対象施設でない場合は、迷わず連携病院へ紹介することが最善策です。
関連)https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp/hospital_list/
がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院 全国一覧(国立がん研究センターC-CAT)
以下が、ご依頼の記事です。