ケブザラ薬価2025年の改定と医療現場への影響

2025年度のケブザラ(サリルマブ)薬価改定について、150mg・200mgシリンジ・オートインジェクター別の最新薬価や患者負担額、処方時の注意点を詳しく解説します。医療従事者として正確な薬価情報を把握していますか?

ケブザラ薬価2025の改定内容と処方への影響

あなたが「薬価が下がれば患者負担も必ず減る」と思って処方していると、自己負担額が逆に増えるケースがあります。


📋 ケブザラ薬価2025:3つのポイント
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2025年4月改定後の薬価

150mgシリンジは35,120円(旧薬価35,935円から引き下げ)。200mgシリンジは46,969円で据え置き。

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患者自己負担の実態

2週間に1回投与で年間約24回。高額療養費制度や特定疾患医療費助成との組み合わせで実負担が大きく変わる。

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新薬創出等加算との関係

2025年改定ではケブザラは新薬創出等加算非対象品目として通常の乖離率ルールが適用された点に注意が必要。

ケブザラ2025年薬価改定の詳細:150mg・200mgの変化

2025年4月1日付の薬価改定で、ケブザラ(一般名:サリルマブ)の規格別薬価に変動が生じました。 具体的には以下の通りです。yakka-search+1

製品名 規格 2025年4月~薬価 旧薬価(2025年3月まで)
ケブザラ皮下注150mgシリンジ 1.14mL(筒) 35,120円 35,935円
ケブザラ皮下注200mgシリンジ 1.14mL(筒) 46,969円 46,969円(据え置き)
ケブザラ皮下注150mgオートインジェクター 1.14mL(キット) 35,355円 35,355円(据え置き)
ケブザラ皮下注200mgオートインジェクター 1.14mL(キット) 46,785円 46,785円(据え置き)

150mgシリンジのみ約815円(約2.3%)の引き下げとなりました。 同じ150mgでもシリンジとオートインジェクターで薬価が異なる点は見落としがちです。kegg+1
オートインジェクターはシリンジより約235円高く設定されています。つまり規格の選択が長期的な薬剤費に影響するということですね。


発売当初(2018年)の150mg薬価は45,467円、200mgは60,329円でした。 2025年時点の薬価と比較すると、7年間で150mgは約22.8%、200mgは約22.1%引き下げられています。 これは定期改定の積み重ねによるものです。mixonline+1

ケブザラ薬価から見る患者自己負担額の計算方法

薬価が下がっても患者負担が減るとは限りません。高額療養費制度の自己負担限度額に近い患者では、薬価変動の影響が吸収されてしまうためです。


標準投与量(200mg、2週間に1回)の場合、年間薬剤費は以下のように計算できます。


  • 💉 1回薬剤費:46,785円(200mgオートインジェクター使用時)
  • 📅 年間投与回数:約26回(2週に1回×52週÷2)
  • 💰 年間薬剤費(概算):約121万6,410円
  • 🏥 3割負担の場合の概算自己負担:年間約36万5,000円

36万円という数字は、一般的な会社員の月収1か月分に相当するイメージです。 負担は決して小さくありません。


参考)https://www.ra-center.com/wp-content/uploads/2025/02/yakuzaihi-jikofutangaku.pdf


ただし、難病医療費助成制度(指定難病)や高額療養費制度が適用されれば、実際の患者負担は大きく圧縮されます。 関節リウマチは指定難病ではないため、この点は患者への説明時に注意が必要です。 高額療養費制度の上限を把握した上で、ケースごとの負担額を試算しておくことが基本です。


参考)関節リウマチ治療ガイド|薬物・注射・副作用対策を専門医が解説…


ケブザラ2025年改定における薬価算定ルールと新薬創出等加算

2025年度改定では、新薬創出等加算(新算加算)の対象品目かどうかで引き下げ幅が異なります。 新薬創出加算対象品目は「平均乖離率の1.0倍超」が引き下げ対象であるのに対し、加算対象外の新薬は「平均乖離率の0.75倍超」という緩和条件が設けられています。


参考)https://www.phchd.com/jp/medicom/park/idea/medicalfees-drug-price-revision


ケブザラはサノフィ製品で、収載から7年以上経過した既収載品です。意外ですね。つまり、新薬創出等加算の恩恵が薄れている段階に入っています。


2025年改定での平均乖離率は約7%台とされており、これを基準に薬価引き下げが計算されます。 調整幅は改定前薬価の2%相当です。 計算式は「新薬価=市場実勢価格(加重平均)× 1.1 + 調整幅」が原則となります。


長期収載品の取り扱いも変化しており、2025年度は「平均乖離率の0.5倍超」が対象に拡大されました。 ケブザラのような生物学的製剤は後発品(バイオシミラー)の上市状況によって算定ルールが変わり得る点も覚えておくべき情報です。


ケブザラのバイオシミラーと薬価への影響:2025年以降の展望

サリルマブのバイオシミラーは2025年時点で日本国内では未承認です。これが原則です。 バイオシミラーが上市されていない間は、先発品であるケブザラの薬価が基準薬価として維持されます。


参考)医療用医薬品 : ケブザラ (ケブザラ皮下注150mgシリン…


バイオシミラーが登場した場合、先発品は「長期収載品選定療養」の対象になり得ます。 これは患者が先発品を希望する際に、差額分を自費負担するルールです。 2024年10月から施行済みのこの制度は、同様の構造を持つ生物学的製剤にも将来的に適用拡大される可能性があります。


参考)【2025年改定】特定薬剤管理指導加算3完全ガイド!要件や算…


今後バイオシミラーが登場した段階でケブザラの薬価が段階的に引き下げられる可能性があります。 医療現場でのインフォームドコンセントにもその影響を織り込む必要があります。 アクテムラ(トシリズマブ)のバイオシミラーは既に複数上市されており、同じIL-6受容体阻害薬として参考になる事例です。mhlw.go+1

ケブザラ処方時に確認すべき薬価以外のコスト構造:独自視点

薬価だけを見ていると、総コストを見誤ることがあります。 ケブザラは皮下注射製剤であり、投与手技料・注射指導管理料・生物学的製剤注入加算など、薬剤費以外の保険点数が発生します。


生物学的製剤注射指導管理料は月1回算定で230点(2,300円相当)です。 在宅自己注射指導管理料(複雑な場合)は月1回1,230点となり、これは約12,300円に相当します。これは使えそうです。


自己注射導入時は、導入初期加算として月1回580点(3か月限度)が算定可能な点も見逃せません。 薬剤費と管理料の合計で年間医療費を患者に提示するには、こうした加算も含めて試算することが条件です。


薬価情報は厚生労働省の「薬価基準収載品目リスト」で随時確認できます。改定後の正確な数字はここで照合するのが確実です。


▶ 厚生労働省「薬価基準収載品目リスト(令和8年4月1日適用)」 — 最新の収載薬価確認はこちら
患者への経済的負担説明で数字を正確に伝えるためには、薬価・管理料・自己負担割合・高額療養費上限の4点をセットで把握することが原則です。 個々の患者収入帯による高額療養費の上限区分(年収約156万円以下の「区分エ」から約1,160万円超の「現役並みⅢ」まで5段階)を確認することで、より精度の高いコスト説明が可能になります。


▶ リウマチ治療薬の自己負担額一覧PDF(ケブザラ含む) — 患者説明資料として活用できる薬剤費・自己負担額一覧