あなたの病院の天井裏に、まだアスベストが残っているかもしれません。
アスベストの全面禁止は2006年。厚生労働省が定めた労働安全衛生法施行令改正により、すべての種類のアスベストが製造・使用禁止になりました。ただし、実際には1990年代後半まで一般建築物にも広く使われていたため、2006年以前に建てられた医療施設には今も残っています。
特に問題になるのは、天井裏の吹付け材や配管の保温材。表面が見えないため、撤去の際に発見されるケースが多いです。つまり、見えないリスクが残っているということですね。
これにより、病院の改修時には必ず事前調査が義務付けられています。報告を怠ると建設業者だけでなく施設管理者も責任を問われます。管理体制の見直しが基本です。
医療機関として安全確保に努めることが原則です。
厚生労働省「石綿障害予防規則」関連ページ:
厚生労働省 - 石綿障害予防規則とは
「全面禁止」と言いつつ、実際には例外的に使用が認められた製品がありました。代表的なのが一部のシール材や電気絶縁材です。これらは医療機器や実験装置の部品にも用いられていました。
2023年の調査では、全国約2,300の医療施設のうち、およそ8%にアスベスト含有部材が残っていることが報告されています。意外ですね。
特に歯科技工所や臨床検査施設にある加熱炉や断熱パネル内の残存例が注目されています。古い設備を更新せずに利用している場合は要注意です。つまり見落としが多いということです。
このような設備を使用中の場合は、専門の環境測定士による分析依頼を行うことが推奨されています。アスベスト測定は有料ですが、健康被害を防ぐためには必要経費と考えるべきです。
医療施設の改修では、アスベストの含有を確認せずに工事を進めると法律違反になります。2022年4月からは「事前調査結果の自治体報告」が義務化。報告を怠ると、罰則の対象となります。
一見きれいな壁でも、内部の吹付け材にアスベストが含まれていることがあります。どういうことでしょうか?
実は、医療施設の防音・耐火材にも高い比率で使用されていたのです。
報告義務を怠った業者はもちろん、発注者も罰せられる可能性があります。つまり、委託しても責任は逃れられません。
書類の確認を怠らないことが条件です。
環境省「石綿に関する建築物解体の指針」:
環境省 - アスベストに関する指針
2000年代初期に発生した「クボタショック」は、アスベストによる健康被害が社会問題化した象徴でした。尼崎工場での労働者のみならず、周辺住民にも被害が拡大したことで、国が規制を一気に強化しました。
医療業界では、検査技師や清掃員の二次曝露が報告されています。実際に2019年の労災認定例では、病院ボイラー室での清掃業務を10年以上担当した職員に中皮腫が確認されました。痛いですね。
このような事例を繰り返さないために、法的リスクを知っておく必要があります。結論は、管理職の責任が問われるということです。
裁判所の過去判例の一部では、施設側の注意義務違反が認められています。つまり、知らなかったでは済まされないのです。
多くの医療従事者が「2006年以降の建物なら安全」と思い込んでいます。しかし、材料の在庫利用や改修再利用により、2007年以降竣工の建物でもアスベスト含有部材が見つかるケースが報告されています。
建材メーカーの納入データによると、実際に2008年に施工された医院でアスベスト混入塗料が使われていた例もありました。つまり、年号だけでは判断できません。
この誤解から、リフォーム時の調査を省略してしまうケースが後を絶ちません。違法性だけでなく、健康被害のリスクも残ります。どうすれば防げるでしょうか?
改修時には「アスベスト有無調査報告書」を必ず確認すること。書類を一枚チェックするだけで、命を守ることにつながります。これが基本です。
国土交通省「アスベスト調査義務と報告手続き」:
国土交通省 - アスベスト関連法制度概要