配当利回りが7%を超えているのに、権利付き最終日の翌日に売ると株価が30円以上下がり、手取りがほぼゼロになることがあります。

エニグモ(証券コード:3665)の配当を受け取るために、まず理解しておくべきことがあります。「権利確定日に株を持っていれば良い」と思っている方が多いのですが、実際には権利確定日の2営業日前の「権利付き最終日」の取引終了時点(16:00)に株を保有していることが条件です。
これが基本です。
エニグモの場合、配当の権利確定日は毎年1月31日(期末配当のみ)です。2027年1月期を例にとると、権利付き最終日は2027年1月27日(水)、権利落ち日は2027年1月28日(木)、権利確定日は2027年1月29日(金)となります。
中間配当(7月)は実施していません。年1回(期末のみ)が原則です。
| 📆 日程 | 内容 |
|---|---|
| 2027年1月27日(水) | 権利付き最終日(この日までに買う!) |
| 2027年1月28日(木) | 権利落ち日(この日から売っても配当は受け取れる) |
| 2027年1月29日(金) | 権利確定日 |
| 2027年4月下旬(予定) | 配当支払開始日(目安) |
配当の支払いは権利確定日から約2〜3ヶ月後が一般的です。2026年1月期の実績では、2026年4月28日が支払開始日でした。つまり1月末に権利を確定させて、実際にお金を受け取るのは4月下旬ということになります。
意外と長いですね。
医療従事者として日常業務が忙しい方ほど、「気づいたら権利付き最終日を過ぎていた」というケースが多く見られます。SBI証券やマネックス証券などのスマートフォンアプリでは、銘柄に対してアラート設定が可能です。権利付き最終日の1週間前にアラートをセットしておくだけで、買い忘れを防げます。
参考:エニグモの配当基準日・支払開始日などの詳細スケジュールはこちらで確認できます。
エニグモの配当金は、上場からしばらくは無配が続いていました。2020年1月期に初めて7円の配当を実施し、2021年〜2025年1月期は毎年10円で安定していました。
大きく変わったのが2026年1月期です。
2025年9月12日にBUYMA20周年記念配当(1株あたり20円)の実施が発表され、普通配当10円と合わせて合計30円の配当に急増しました。前期比で3倍という異例の増配です。この発表翌日、エニグモの株価はストップ高(+26.66%)を記録しました。
| 決算期 | 年間配当(1株) | 内訳 |
|---|---|---|
| 2021年1月期 | 10円 | 期末10円 |
| 2022年1月期 | 10円 | 期末10円 |
| 2023年1月期 | 10円 | 期末10円 |
| 2024年1月期 | 10円 | 期末10円 |
| 2025年1月期 | 10円 | 期末10円 |
| 2026年1月期 ✅ | 30円 | 普通配当10円+記念配当20円 |
| 2027年1月期(予定) | 30円(予定) | 普通配当10円+記念配当20円 |
2026年1月期・2027年1月期については、BUYMAの20周年記念配当(20円)が継続されるため、年間配当30円が維持される見通しです。株価368円(2026年3月時点)に対して配当利回りは約7.9%で、東証プライム市場の平均配当利回り約2.4%(2025年8月時点)と比べると、約3倍以上の高水準です。
配当利回り7.9%は使えそうです。
100株(最低投資単位)保有した場合、年間3,000円の配当金を受け取ることができます。投資金額の目安は368円×100株=36,800円程度です。さらに200株保有すると株主優待(BUYMAで使えるクーポン2,000円分)も取得できるため、配当+優待利回りは最大10.52%を超える水準となります。
参考:エニグモの最新の配当利回りや配当推移はこちらで確認できます。
高配当株を狙うときに見落としがちなポイントがあります。それが「権利落ち」による株価下落です。
理論上、権利落ち日には配当金相当額だけ株価が下がります。
エニグモを例に具体的に考えてみましょう。2026年1月期の権利落ち日(2026年1月29日)、エニグモの株価は大幅続落を記録しました。配当30円分が株価から差し引かれる形になるため、配当を受け取っても株価の下落分と相殺されるケースが生じます。
厳しいところですね。
特に、「権利付き最終日の直前に高値で買って、権利落ち日に売る」という動きをした場合、受け取った配当30円より株価の下落幅が大きくなることがあります。医療従事者として限られた時間の中で投資判断をされている方は、短期的な「配当取り」を目的に直前に飛び込むのは注意が必要です。
なお、権利落ちによる株価下落リスクを抑えたい方には「つなぎ売り(一般信用売り)」という方法があります。権利付き最終日に現物保有しながら信用売りを同時に行い、権利落ち日の株価下落分を相殺する手法です。マネックス証券など複数の証券会社が一般信用取引サービスを提供しています。
参考:権利落ちの仕組みとつなぎ売りの詳細はこちらが参考になります。
権利落ちによる株価下落の対応策!つなぎ売り徹底解説 - マネックス証券
記念配当が終わる2028年1月期以降も、エニグモが継続して高い配当水準を維持できるかどうかは、投資家にとって重要な論点です。
結論は「方針は明示されている」です。
エニグモは2025年9月に発表した中期経営方針の中で、2028年1月期以降の配当方針を明確に示しています。具体的には、「調整後EPS(1株あたり純利益)40円以上を目指し、配当性向50%またはDOE(株主資本配当率)5%の、いずれか高い方を採用する」という内容です。
DOEとは、純利益の多寡に関係なく、自己資本(純資産)の一定割合を配当の基準とする指標です。業績が多少落ち込んでも配当水準が維持されやすい特徴があります。エニグモが示した「DOE5%」が実現されれば、自己資本が現状維持であっても1株あたり20〜25円程度の配当が継続される計算になります。
医療従事者の資産形成という観点で見ると、エニグモは「今すぐ高配当」を享受しながら、2028年以降の方針変更タイミングを見据えて継続保有するかを判断する、という2段階の戦略が考えられます。
DOEと配当性向のどちらかが条件です。
長期保有を前提に投資を検討するなら、NISAの「成長投資枠」を活用することで配当金が非課税になります。通常、配当金には約20.315%の税金がかかるため、30円の配当のうち約6.1円が税金として引かれます。NISAを使えば30円がそのまま手元に残ります。これは年間配当3,000円(100株)の場合、600円以上の節税効果です。
参考:エニグモの配当方針・業績詳細はIR資料で確認できます。
忙しい医療従事者が限られた時間で資産形成をするうえで、「配当金+株主優待」の組み合わせは効率的なアプローチのひとつです。エニグモはその両方を提供している銘柄です。
これは使えそうです。
エニグモの株主優待は、海外ファッション通販「BUYMA」または旅行プラットフォーム「BUYMA TRAVEL」で使えるクーポンです。保有株数に応じて金額が変わり、200株以上保有の場合は2,000円分のクーポンが付与されます。
| 保有株数 | 株主優待クーポン額 | 権利確定月 |
|---|---|---|
| 200株以上 | 2,000円分 | 毎年7月末日 |
| 500株以上 | 3,000円分 | 毎年7月末日 |
| 1,000株以上 | 5,000円分 | 毎年7月末日 |
注意点として、株主優待の権利確定月は7月末日であり、配当の権利確定月(1月末日)とは異なります。優待の2026年の権利付き最終日は2026年7月29日(水)です。配当と優待を同時に取得するには、1月末と7月末、それぞれのタイミングで株を保有している必要があります。
さらに、継続保有の要件として「同一の株主番号で2回連続(1月末と7月末)で200株以上の保有が記録されていること」が必要です。つまり、7月に初めて購入しても優待はもらえません。
優待には半年間の継続保有が条件です。
200株保有(投資金額目安:約73,600円)した場合の利回りをまとめると以下のとおりです。
医療従事者にとって、BUYMAは海外ブランド品を正規より安く入手できるプラットフォームとしても知られています。日常的にBUYMAを使っている方にとっては、クーポンの実質的な価値がさらに高まります。
なお、株主優待は廃止・変更されるリスクがある点も忘れてはなりません。最新の優待内容は必ず公式サイトやIR情報で確認することをおすすめします。
参考:エニグモの株主優待内容と優待取得スケジュールを詳しく確認できます。