血小板数が正常範囲内でも血栓症が起きます。
アバトロンボパグ(販売名:ドプテレット®錠20mg)は、経口投与が可能な低分子のトロンボポエチン(TPO)受容体作動薬です。 造血前駆細胞から巨核球の増殖・分化を促進して血小板数を増加させる作用を持ち、TPOと競合しない独自の結合様式を持っています。 pmda.go(https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20230324001/371336000_30500AMX00110_D100_1.pdf)
2023年6月の販売開始時点では「待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善」のみが適応でした。 2025年8月25日付で「持続性及び慢性免疫性血小板減少症(ITP)」が効能追加承認され、添付文書は同年8月に第6版へ改訂されています。 dsu-system(https://dsu-system.jp/dsu/340/2541/notice/notice_2541_20251015185232.pdf)
つまり適応が2つになりました。
| 適応 | 対象患者 | 用法・用量 |
|---|---|---|
| 慢性肝疾患患者の血小板減少症改善(待機的観血的手技前) | 血小板数60,000/μL未満、MELDスコア24以下 | 40mgまたは60mgを1日1回・5日間食後経口投与 |
| 持続性及び慢性免疫性血小板減少症(ITP) | 診断後6カ月以上、他治療で効果不十分 | 初回20mgを1日1回食後、最高40mgを1日1回 |
効能共通の重要注意として、添付文書の8.1項では「血小板数が正常範囲以下であっても血栓症が報告されている」と明記されています。 血小板数だけを見て安心するのは危険です。 pmda.go(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/371336_3399012F1021_1_05)
参考:PMDA ドプテレット錠20mg 電子添付文書(最新版)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/371336_3399012F1021_1_05
慢性肝疾患患者への投与では、投与開始前の血小板数によって用量が異なります。 血小板数40,000/μL以上50,000/μL未満の場合は40mg、40,000/μL未満の場合は60mgを1日1回・5日間食後に経口投与します。投与開始のタイミングは原則として手技施行予定日の10〜13日前です。 pmda.go(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/371336_3399012F1021_1_05)
ITP適応では6段階の用量レベルで管理します。これは実臨床で特に重要です。