輸入消費税還付の条件と仕入税額控除の要件

輸入消費税の還付を受けるには、課税事業者であることや輸入許可書の保存など複数の条件があります。特に輸入申告者と実質的な輸入者が異なる場合、仕入税額控除が受けられないケースも。通関業従事者として押さえるべき還付条件と控除要件を詳しく解説します。あなたの会社は正しく消費税還付を受けられていますか?

輸入消費税還付の条件

輸入代行通関業者名義になっていると還付は受けられない


この記事の3つのポイント
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輸入申告者のみが控除対象

輸入許可書に記載された輸入申告者だけが仕入税額控除を受けられる。実質的な輸入者でも原則として控除不可

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輸入許可書の保存が必須

一定事項が記載された輸入許可書等の保存が仕入税額控除の要件。保存期間は7年間

還付請求は5年以内

輸入許可日から5年以内に更正の請求を行えば、過払いの関税・消費税の還付を受けられる


輸入消費税の仕入税額控除を受けられる条件


輸入消費税の仕入税額控除を受けるには、まず課税事業者であることが大前提となります。免税事業者や簡易課税選択事業者は、輸入時に消費税を支払っても仕入税額控除の適用を受けることができません。 iwatani-gontax(https://iwatani-gontax.jp/chinajp/1822/)


つまり課税事業者が基本です。


課税事業者であっても、仕入税額控除を受けるためには一定の事項が記載された輸入許可書等の書類を保存していることが必須要件とされています。この輸入許可書は税関から交付されるもので、品名、数量、価格、仕出人の氏名、輸入許可年月日、許可書の番号などが記載されています。 tax-sos.co(https://www.tax-sos.co.jp/news_tax/1686.html)


保存期間は輸入許可日の翌日から起算して7年間です。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1117_jr.htm)


さらに重要な点として、この仕入税額控除を受けることができるのは、保税地域から課税貨物を引き取った者、すなわち輸入申告を行った者に限定されます。輸入取引により貨物が輸入される場合、仕入書等に記載されている荷受人が輸入申告を行うこととなります。 nta.go(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/16/26.htm)


輸入申告者と実質的な輸入者が異なる場合の控除要件

通関業者に輸入手続きを委託した場合、輸入申告書や輸入許可書の輸入者欄が通関業者名義になっていると、仕入税額控除は通関業者に認められることになります。委託した会社側では、通関業者に支払う輸入消費税相当額の仕入税額控除は認められず、通関業者に支払う手数料等部分のみが仕入税額控除の対象となります。 m-accounting-firm(https://m-accounting-firm.com/consumption-tax/yunyuushouhizei-to-shiirezeigakukoujo/)


これは痛いところですね。


ただし、輸入申告者が単なる名義人であって実質的な輸入者が別に存在する場合、一定の要件を全て満たすときに限り、実質的な輸入者が仕入税額控除の適用を受けられるケースがあります。その要件は以下の3つです。 zeiken.co(https://www.zeiken.co.jp/hourei/HHSHI000030/11-1-6.html)


- 実質的な輸入者が、輸入申告者が引き取ったものとされる課税貨物を輸入申告後に輸入申告者へ有償で譲渡する
- 実質的な輸入者が、課税貨物の引取りに係る消費税額及び地方消費税額を負担する
- 実質的な輸入者が、輸入申告者名義の輸入許可書及び同名義の引取りに係る消費税等の領収証書の原本を保存する


結論は原本保存が条件です。


この規定は、課税貨物について関税の軽減若しくは免除を受けるために輸入申告者が限定されている場合のような、特段の事情がある場合に限られています。特段の事情がない場合には認められないため、適用にあたっては慎重な判断が必要です。 tax-sos.co(https://www.tax-sos.co.jp/news_tax/1686.html)


輸入許可前引取りの場合の消費税還付と控除タイミング

関税法第73条第1項に規定する税関長の承認を受けて輸入許可前に課税貨物を引き取った場合、見積消費税額について当該課税貨物の引取りを行った日の属する課税期間において仕入税額控除の適用を受けることができます。見積消費税額は、輸入申告書の金額を基に計算する等の方法により合理的に見積もった課税貨物の引取りに係る消費税額を指します。 zeiken.co(https://www.zeiken.co.jp/hourei/HHSHI000030/11-3-10.html)


見積額での控除が可能です。


その後確定した引取りに係る消費税額が見積消費税額と異なるときは、その差額をその確定した日の属する課税期間の課税仕入れ等の税額に加算し、又は課税仕入れ等の税額から控除することになります。つまり、見積りと実際の差額は確定時に調整を行う仕組みです。 zeiken.co(https://www.zeiken.co.jp/hourei/HHSHI000030/11-3-10.html)


関税法第77条第6項の規定の適用を受ける郵便物を引き取った場合も同様の取り扱いとなります。 zeiken.co(https://www.zeiken.co.jp/hourei/HHSHI000030/11-3-10.html)


輸入消費税の過払い還付を受ける条件と手続き

輸入申告価格を過大に記載したなど、何らかの理由で関税および消費税を払い過ぎていたことが輸入許可後に判明した場合、税関長に対し「更正の請求」を行うことにより還付を受けることができます。申告の税額等の計算が関税に関する法律の規定に従っていなかったため、あるいは計算に誤りがあったために納付した関税額が本来納付すべき額よりも過大であった場合が該当します。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011227.html)


過払いなら還付請求ができますね。


更正の請求は、輸入許可の日から5年以内に限り認められます。特例輸入貨物の場合は特例申告書の提出期限(輸入許可の日の属する月の翌月末日)から5年以内となります。輸入許可前の貨物の引き取り承認を受けた場合には、その承認日の翌日から起算して5年を経過する日と輸入許可日とのいずれか遅い日までの間に請求する必要があります。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011227.html)


5年が時効です。


この期間中に、「関税更正請求書」(税関様式C-1030)2通および請求の理由の基礎となる事実を証明する書類がある時はこれを輸入申告書の写しに添付して、納税申告をした税関長に提出します。納税申告をした輸入者本人のほか、通関業者による代理請求も認められています。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011227.html)


JETRO「過払いの関税および消費税の還付手続き」


上記リンクには、更正の請求の詳細な手続きと必要書類について解説されています。


輸入消費税還付における通関業従事者の実務上の注意点

通関業従事者として実務を行う際、輸入申告者の名義設定には特に注意が必要です。依頼主が仕入税額控除を受けたいと考えている場合、輸入許可書の輸入者欄を依頼主名義にしておかないと、依頼主側で輸入消費税の控除ができなくなってしまいます。 m-accounting-firm(https://m-accounting-firm.com/consumption-tax/yunyuushouhizei-to-shiirezeigakukoujo/)


名義を誰にするかが重要です。


通関業者名義で輸入申告を行った場合、通関業者が消費税の仕入税額控除を受けることになり、依頼主は通関業者に支払う手数料等部分のみしか控除できません。これは依頼主にとって大きな不利益となるため、契約時や受注時に輸入申告者の名義について明確に確認しておくことが不可欠です。 m-accounting-firm(https://m-accounting-firm.com/consumption-tax/yunyuushouhizei-to-shiirezeigakukoujo/)


依頼主との齟齬が生じやすい場面ですので、初回取引時には特に丁寧な説明が求められます。また、依頼主が課税事業者かどうか、簡易課税を選択していないかといった点も事前にヒアリングしておくと、トラブルを未然に防げます。


どういうことでしょうか?


簡易課税選択事業者や免税事業者の場合、そもそも仕入税額控除を受けられないため、輸入許可書の名義を誰にしても還付の恩恵を受けることができません。その場合、通関業者名義で申告しても依頼主にとって実質的な不利益は生じにくくなります。 iwatani-gontax(https://iwatani-gontax.jp/chinajp/1822/)


帳簿書類の保存義務についても、通関業従事者としてアドバイスできる範囲で依頼主に伝えることが望ましいです。業として輸入する輸入申告者には、品名、数量、価格、仕出人の氏名、輸入許可年月日、許可書の番号を記載した帳簿を7年間保存する義務があります。書類の保存期間は5年間です。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1117_jr.htm)


依頼主がこれらの義務を理解していない場合、後日税務調査で問題になる可能性があります。通関業者として、輸入許可書の交付時にこうした保存義務について一言添えておくことで、依頼主の信頼を得ることにもつながります。


これは使えそうです。


再輸出される貨物について戻し税(関税等の払戻し)を受けるケースでは、輸入時に「再輸出貨物確認申請書」(税関様式T-1625)を提出しておく必要があります。この手続きを忘れると、再輸出時に戻し税を受けられなくなるため、輸入時点での確認が重要です。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1606_jr.htm)


税関「再輸出貨物確認申請書の手続き」


このリンクには、再輸出時の戻し税手続きに関する詳細が記載されています。


また、実質的な輸入者が輸入申告名義人と異なるケースで仕入税額控除を受けようとする場合、消費税法基本通達11-1-6の要件を満たしているかを慎重に確認する必要があります。特に「特段の事情」がない場合には認められないため、安易に適用を前提とした助言をすると後でトラブルになりかねません。 zeiken.co(https://www.zeiken.co.jp/hourei/HHSHI000030/11-1-6.html)


税理士等の専門家への相談を促すことが原則です。


輸入消費税の還付や仕入税額控除に関する制度は複雑であり、通関業従事者としては正確な知識を持って依頼主に対応することが求められます。不明な点があれば、税関や税理士に確認するよう促すことも、プロフェッショナルとしての重要な役割といえます。






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