通関で「普通の価格感覚」を持ち込むほど申告が崩れます。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm

まず整理したいのは、正常価格・限定価格・特定価格・特殊価格という4区分は、不動産鑑定評価基準で明確化された価格概念だという点です。
関連)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/houseido/hou/lh_09020.html
正常価格は、市場性を有する不動産について、合理的な条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を示す適正な価格とされています。
関連)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/houseido/hou/lh_09020.html
つまり別分野の言葉です。
関連)https://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/tochi/4/images/020614_1.pdf
ここを曖昧にしたまま通関実務へ当てはめると、輸入申告でも「普通の売値なら十分」と考えがちですが、税関が見ているのは不動産鑑定の正常価格ではなく、関税定率法上の課税価格です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
関税定率法では、原則として買手が売手に対し現実に支払った、または支払うべき価格に、輸入港到着までの運賃や保険料などを加えた取引価格で課税価格を決めます。
関連)https://daiwakantei.co.jp/words/evaluation/6456/
課税の軸が違うということですね。
関連)https://daiwakantei.co.jp/words/evaluation/6456/
通関業従事者にとっての実務メリットは大きいです。
社内説明で「正常価格かどうか」ではなく、「第4条第1項の取引価格で立つか、立たないなら第4条の2以下へ進むか」と言い換えるだけで、確認の順番がぶれにくくなります。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_tsutatsu.htm
この切り分けをメモ化しておくと、輸入者への照会も短くできます。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
評価申告の制度概要は税関の説明が分かりやすいです。
https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
通関実務で最初に見るべきなのは、課税価格の決定の原則です。
関連)https://www.kanzei.or.jp/tsukanshi/tsukanshi/exam/36a_cl.htm
税関は制度概要で、輸入貨物の課税価格は原則として取引価格とし、その中身を「現実に支払われた又は支払われるべき価格」に運賃・保険料などを加えた価格と示しています。
関連)https://daiwakantei.co.jp/words/evaluation/6456/
ここが出発点です。
関連)https://www.kanzei.or.jp/tsukanshi/tsukanshi/exam/36a_cl.htm
そして、この原則で決められない場合に初めて、関税定率法第4条の2以下の方法に移ります。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_tsutatsu.htm
税関の基本通達でも、第4条から第4条の8までの規定により課税価格を計算すると整理されており、第4条の2は原則が使えない場面の次順位の考え方として扱われています。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
原則優先が基本です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_tsutatsu.htm
ここで意外に起こるのが、値引き、無償支給、ロイヤルティ、売手のための肩代わり費用などを「商流上よくある話」として流してしまうことです。
関連)https://www.kanzei.or.jp/sites/default/files/2012moshi_kouhyo.pdf
しかし、税関は課税価格の計算の基礎が明らかでないなら評価申告を求めますし、加算すべき費用や説明すべき事情があれば、仕入書1枚では足りません。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
ここを早く拾えると、再照会の回数を減らせます。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
たとえば継続輸入で毎回似た契約なのに、担当者ごとに「今回だけは個別確認で」と運用が揺れると、1件あたり10分の確認差でも月30件で300分、5時間のロスになります。
数字は社内運用例ですが、感覚としては半日分です。
包括申告が使える取引なら問題ありません。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
通関士試験向けですが、原則と例外の見取り図をつかむ資料として有用です。
https://www.kanzei.or.jp/tsukanshi/exam/kin_tei.htm
不動産鑑定でいう特定価格は、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする評価目的の下で、正常価格の前提条件を満たさない場合の経済価値を示す価格です。
関連)https://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/tochi/4/images/020614_1.pdf
例として、資産流動化法や投資信託・投資法人法に基づき投資家へ示す価格、民事再生法に基づく早期売却前提の価格などが挙げられています。
関連)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/houseido/hou/lh_09020.html
普通の売買前提ではないわけです。
関連)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/houseido/hou/lh_09020.html
この構造が、通関でいう「原則では決めにくいから例外ルールへ進む」という感覚と少し似ているため、頭の中で混線しやすいです。
ただし、似ているのは“原則から外れる場面がある”という抽象だけで、法分野も要件も資料の出し方も別物です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
同じ例外でも中身は別です。
関連)https://daiwakantei.co.jp/words/evaluation/6456/
通関業従事者が実際にやりがちな誤りは、「事情が特殊だから価格も特殊でよい」とラベル処理してしまうことです。
でも税関はラベルでは動きません。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
必要なのは、どの条文で課税価格を決めるか、計算基礎を何で証明するか、その2点です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
この視点を持つと、輸入者へのヒアリングも変わります。
「特別契約ですか」と聞くより、「支払条件に第三者払いはありますか」「無償支給材はありますか」「継続契約ですか」と切った方が、評価申告の要否や申告書式I・IIの判断に直結します。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
質問の粒度に注意すれば大丈夫です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
税関の評価申告リーフレットは、個別・包括の違いがまとまっています。
https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
特殊価格は、不動産鑑定評価基準で、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした経済価値を適正に表示する価格とされています。
関連)https://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/tochi/4/images/020614_1.pdf
宗教建築物や保存を主眼とした公共公益施設などが例示されています。
関連)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/houseido/hou/lh_09020.html
市場性が弱いものの話です。
関連)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/houseido/hou/lh_09020.html
一方、輸入通関では、課税価格の計算基礎が仕入書や運賃明細書だけでは明らかでない場合、評価申告が必要になります。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
税関は、評価申告には個別申告と包括申告があり、同一内容の輸入取引が継続して行われる場合は包括申告が使えると案内しています。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
申告方式の選択が実務です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
ここでのデメリットは時間です。
毎回同じ内容の輸入なのに包括申告を使わず、都度個別評価申告で回していると、書類確認、根拠説明、差し戻し対応が積み重なります。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
1件5分の差でも、週20件なら100分です。
痛いですね。
逆に、包括申告が使える場面で先に枠組みを整えると、個々の納税申告のたびに同じ説明を繰り返す負担を減らせます。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
リスクは「早くすること」ではなく、「同じ説明を制度に沿って前倒しすること」です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
継続取引の整理だけ覚えておけばOKです。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
実務で迷う場面では、申告書式の違いも見落としやすい点です。
税関は、第4条第1項で計算する場合は評価申告書I、第4条の2以下で計算する場合は評価申告書IIと案内しています。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
書式選びが条件です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
制度の概要で、評価申告書I・IIの使い分けが確認できます。
https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm
ここは少し独自視点です。
正常価格という言葉は“常識的で妥当な価格”に聞こえるため、通関現場では確認の出発点を「値段が変ではないか」に寄せがちです。
でも税関実務で重要なのは、値ごろ感より、計算基礎と証明資料のつながりです。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
見る順番が逆になりやすいんです。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
たとえば、仕入単価が市場相場と近くても、輸入者が売手のために別の費用を負担していたり、無償支給材や一括払い費用があったりすると、課税価格の論点は残ります。
関連)https://www.kanzei.or.jp/sites/default/files/2012moshi_kouhyo.pdf
逆に、単価が少し不自然でも、条文に沿って説明資料が整っていれば、確認は前に進みます。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
結論は資料の一貫性です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
通関業従事者が実際にやってしまいがちな行動を一つ否定するなら、「インボイスの数字が自然なら安心」はダメです。
税関は、課税価格の計算の基礎となる額その他の事項は、合理的な根拠を示す資料により証明されることを求めています。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
インボイスだけでは不足する場面があります。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
この知識を持っていると、輸入者対応でも得をします。
確認項目を「価格の妥当性」から「支払構造・加算要素・継続性・証憑」に変えれば、後戻りが減り、社内レビューも通しやすくなります。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
確認票を1枚作るだけで十分です。
関連)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/hyokashinkoku_leaflet.pdf
条文と通達を直接当たりたい場合は、税関の法令ページが役立ちます。
https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_horitsu.htm
Number(ナンバー) 1145・1146・1147号[雑誌]